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溶連菌感染症

溶連菌感染症について

溶連菌感染症ってなんだろう?

溶連菌は、正式にはA群β-溶血性連鎖球菌といいます。
(化膿連鎖球菌とも呼びます。)

溶連菌感染には主に次のような種類があります。
(1)咽頭炎や扁桃腺炎 (2)とびひ(伝染性膿痂疹)
耳鼻咽喉科ではおもに(1)の咽頭炎や扁桃炎の診察を行っています。

溶連菌による咽頭炎は小児の咽頭炎の約15%を占めるとの報告もあります。

どんな人がうつるのでしょうか?

主に2~10歳頃に多いとされています。(ピークは5~10歳頃)

溶連菌感染の多い時期はありますか?

季節的には、12~3月に一番多く、7~9月が一番少ないとされます。

どのようにして人にうつるのでしょうか?

溶連菌の感染の経路としては、患者さんの咳やくしゃみの中に含まれるウイルスを吸入しておこる飛沫感染がほとんどと考えられています。またとびひでは皮膚にできた小さな傷から感染する接触感染もあります。

どんな症状がでるのでしょうか?

  1. 咽頭炎・扁桃腺炎
    発熱(90%以上、3-5日間)や、のどの痛み、のどが赤くなる、扁桃腺に白いものがつく。(そのために口臭があることも多く、血液の混じった黄色い痰が出ることもあります。)
  2. 口蓋の点状紅斑・点状出血斑
    口の中の口蓋垂(のどちんこ)を、中心に赤い小さな点状の出血斑が認められます。
  3. イチゴ舌
    舌の表面が、イチゴの表面のようになることがあります。(発病2~4日目)
  4. 全身の発疹(ぶつぶつ)
    顔や股のところに、小さい赤い発疹(ぶつぶつ)が多数出現します。(発病1~2日目)かゆみを伴うことも多いようです。(猩紅熱)
  5. 皮膚落屑
    いろいろな症状が消えた後(5~6日目以降)に手や足の指先から皮がめくれてきます。
  6. その他の症状
    頭痛・だるさなどの発熱に伴う症状などが認められますが、咳・鼻水などの一般的なかぜの症状は、他の感染症に較べると少ないようです。また吐き気やおう吐を伴うことはありますが、下痢はあまりありません。

診断はどのようにおこなうのですか?

一般的にはのどの所見で判断を行いますが、必要に応じて以下の検査を行うこともあります。

  1. A群溶血性連鎖球菌迅速診断キット
    綿棒で、のどの菌を採取し検査します。溶連菌かどうか数分で診断できます。ただし測定できるのは溶連菌のみです。
    →当院で検査可能です!
  2. 咽頭培養検査
    綿棒でのどの菌を採取し検査します。溶連菌だけでなく他の細菌も診断できます。ただし検査には数日を要します。
    →当院で検査可能です!
  3. 血液検査
    その他ASO、ASKなどの抗体検査や白血球数やCRPなどの炎症反応の測定検査もあります。
    →当院で検査可能です!

溶連菌感染の合併症について教えてください。

  1. 直接的な合併症
    中耳炎・気管支炎・リンパ節炎・副鼻腔炎など
  2. 急性腎炎
    溶連菌感染後、3~4週後に発生することが多く、突然、むくむ、尿が出なくなる、血尿や蛋白尿が出る、血圧が上がるなどの急性腎不全の状態になります。
    予後は良好で1~2年のうちに90%以上は治癒しますが、入院や安静、食事制限、体育の見学などが必要になります。
  3. リウマチ熱
    溶連菌感染後に、発熱や身体の各部に炎症が認められます。
    (多関節炎、不随意運動、皮下結節、心炎)
    心弁膜症の悪化を防ぐため、抗生物質を長期に内服する必要があります。
  4. 血管性紫斑病 溶連菌感染などの感染後や予防接種などの後に、出血斑などの発疹・激しい腹痛、関節痛・浮腫などを認めます。引き続き紫斑病性腎炎を起こすこともあります。

治療はどのようにおこないますか?

溶連菌感染の症状は普通抗生物質を2~3日飲めばすぐ治まりますが、急性腎炎・リウマチ熱・血管性紫斑病などの合併症を防ぐために、7~14日間、抗生物質を飲むことが勧められています。

また当院では治療後2週間後、尿検査でタンパク尿や血尿をチェックしており、必要に応じて再検査や、内科をご紹介いたします。

また兄弟間、家族間にも感染を起こすこともあり、ご家族に熱やのどの痛みなど症状がある方には検査や治療をお勧めします。

いつごろから学校や幼稚園に行っていいのでしょうか?

抗生物質を内服して約24時間で他の人にうつりにくくなります。
1~2日服用し、発熱や発疹が治まって元気があれば登校・登園してもかまいません。

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